6年生「オレはなんとかしてこの問題の”公式”を作りたい」
「文章題っていうのは、その都度違うからさ。問題を読みながら式を立てていくのがいいと思うよ」
わたしはそう言いながら、わたしの言っていることと彼の言っている”公式”が同じことに気がつきました。
「比の内側(をかけるの)と外側をかけるのがイコールになるって覚えている?」「あったような…」彼は手を動かしながら考えています。何かが生まれる瞬間です。
「そういうことか!これでこの”公式”は出来た!」
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3年生、ホームセンターでもらってきたA4の大きさの売り場見取り図を、ノートの半分の大きさに書き込んでいます。今日で2日目です。よく根気が続きます。1.5センチ角に、6つぐらいの売り場を書かないといけないとき、わたしはついに声をかけました。
「ここは線で区切らないで、売り場の名前を並べて書いてみたらどう?例えばさ」
わたしが同じくらいの大きさの四角に「きゃ立、はしご、配管材…」と書いていくのをじっと見ていました。そしてうなづくと同じように書き始めてくれました。
最終日の今日、別の宿題に取りかかっていた彼女に呼び止められました。「自由課題でぇ『きっかけ』と『○○とは』で2枚だったのが1ページでよくなって、どう書いたらいいですか?」
「きっかけはあなたのことだから、もっと大きく書いていいと思うよ」。わたしのプレゼンテーションのようなレイアウトを提案してみました。すると彼女は「それがいい」と書き始めました。
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教室ではきっとこうした出来事があふれているんだろうな、と思います。中井町教育委員会の小学生向けのサマースクールは3日間だけですが、今年は中村地区だけでも30人が集まりました。
コロナなどでなかった年もありますが、10年来そうした瞬間に触れ、学ぶことに熱中する子どもたちに感動してきました。さび付いた頭を、子どもと一緒に考える頭に切り替え、ありがたい瞬間でした。